
結論から言うと、適職は「探す」ものではなく「試しながら整理する」ものです。過去の経験を棚卸しし、自分の価値観を言葉にし、実際に働く人の話を聞く。この3つを組み合わせることで、「向いてる仕事がわからない」というモヤモヤは着実に晴れていきます。
「自分に向いてる仕事がわからない」と感じているのは、あなただけではありません。厚生労働省「令和6年雇用動向調査」によると、20〜24歳の転職者が前職を辞めた理由(個人的理由)で最も多いのは、性別を問わず「その他の個人的理由」を除くと労働条件や収入への不満であり、多くの20代が「今の仕事が本当に自分に合っているのか」という迷いを抱えたまま働いています。
なぜ20代で「向いてる仕事がわからない」と感じるのか
新卒で入った会社の仕事は、自分で選んだようで、実は「内定をくれた会社」の中から選んだだけ、というケースが少なくありません。数年働いて初めて、本当に自分に合う仕事は何なのかを考え始める人が多いのが実情です。
厚生労働省の同調査では、20〜24歳男性が前職を辞めた理由として「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」11.3%、「給料等収入が少なかった」12.5%が上位に挙がっています。女性も「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」13.6%が最多で、条件面の不満をきっかけに自分の働き方そのものを見直す20代が多いことがうかがえます。
適職の見つけ方3ステップ
ステップ1:経験の棚卸し
まずはこれまでの仕事や学生時代の経験を「やってきたこと」「楽しかったこと」「評価されたこと」の3つに分けて書き出してみてください。3つが重なる部分に、あなたの適性が隠れています。
ステップ2:価値観の言語化
「安定」「成長」「人との関わり」「裁量」など、仕事において譲れない価値観を3つほど選びます。求人票のスペックだけで仕事を選ぶと、条件は良くても長続きしないことが多いのは、この価値観とのズレが原因であるケースが少なくありません。
ステップ3:診断ツール・第三者の視点を使う
自己分析には限界があります。自分では気づきにくい強みや適性は、適職診断のような客観的なツールや、キャリアアドバイザーとの対話を通じて言語化されることが多くあります。一人で抱え込まず、外部の視点を取り入れることが、遠回りに見えて実は近道です。
転職エージェントの現場から見える「向いてる仕事がわからない」人の共通点
キャリア相談の現場では、「向いてる仕事がわからない」と話す方の多くが、実は自分の得意なことにすでに気づいているケースが少なくありません。ただ、それを「仕事にしていいレベルなのか」を自分では判断できず、一歩を踏み出せずにいる、という傾向が見られます。だからこそ、自己判断だけで結論を出さず、第三者と一緒に整理する時間を持つことが大切です。
20代の転職は年収が下がる?データで確認する
「転職すると収入が下がるのでは」という不安から動けずにいる方もいるかもしれません。厚生労働省「令和6年雇用動向調査」の転職入職者の賃金変動状況を見ると、20〜24歳では男性の50.5%、女性の52.3%が転職後に賃金が「増加」しており、いずれも「減少」した割合(男性16.8%、女性20.9%)を大きく上回っています。20代の転職は、他の年代と比べても収入面でプラスに働きやすいというデータが出ています。
ここまで読んで「自分の場合はどうなんだろう」と感じた方もいるかもしれません。転職すべきタイミングは、年齢や勤続年数だけで決まるものではなく、これまでの経験や大事にしたい価値観によっても変わります。自分に合う仕事を知りたい方は、まず適職診断から確認してみるのも一つの方法です。
よくある質問
Q. 向いてる仕事がわからないまま転職活動を始めても大丈夫ですか?
大丈夫です。多くの方が、応募先を探しながら自己分析を並行して進めています。むしろ実際の求人や面接を通じて「自分が何を大事にしたいか」が明確になることも多くあります。
Q. 適職診断はどのくらい当たるものですか?
診断結果を「正解」として鵜呑みにする必要はありません。自分では言語化できていなかった価値観や適性に気づくきっかけとして活用するのがおすすめです。
Q. 未経験の業界に挑戦するのはリスクが高いですか?
業界や職種によって難易度は異なりますが、20代は「ポテンシャル採用」の枠が他の年代より広く、未経験からの挑戦がしやすい時期でもあります。
まとめ
「向いてる仕事がわからない」という状態は、キャリアを考え始めた証拠でもあります。経験の棚卸し、価値観の言語化、第三者の視点という3つのステップを踏むことで、方向性は少しずつ見えてきます。
「転職した方がいいのか、まだ判断できない」という方は、キャリアアドバイザーに相談してみるのも一つの方法です。転職を前提にせず、まずは現在の状況や希望を整理するところから始めてみてください。
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
